『OVA』というと、私らの世代では『オリジナルビデオアニメーション』のことで、今のタレント『ダイゴ』さんではありませんが、例えば伊豆急へ乗り入れる新型(当時)の『スーパービュー踊り子』は『SVO』とか、当時のジョイフルトレインのフラッグシップ車輛たる『サロンエクスプレス東京』は、『SET』などとアルファベット三文字に略したりしていました。そのうちに『COP10』だとか、『G-20』とかの国際会議の略称が混じってきて鉄道車輛のアルファベット略称はぐっと下火になった感じがする。
少女漫画が話題になって、ドラマの原作や映画の原作(主に実写)の登用が数を増やした時期も、ビデオを購入するか、レンタルショップで借りなければ見られないオリジナルのアニメ作品が盛んに作られた頃と大体重なります。『国民的アイドル』なんて言葉で人気絶頂だった斉藤由貴に続いてミスマガジン出身の南野陽子も、往年の名作少女漫画である『はいからさんが通る』の映画企画に主演で抜擢されています。例えば朝の連続テレビ小説の時代ものでも、『はいからさんが通る』の読者をひきつける要素を盛り込んだりして、普通に楽しんで鑑賞できる視聴者の素地を形作ったとすれば、その功績は男子向けのアニメコンテンツとは違った意味で大きなものがあると思う。 日本のロボットもののアニメーションは、ガンダムの前と後とでは大きく違うのだが、ガンダム前の『マジンガーZ(のシリーズ)』も、やはりその前と後とではアニメ作品としての出来具合に大きな差があるのです。ガンダムではお話の初期の段階で、劇中『コンピュータが戦闘を記憶・学習して機体そのものが利口に応戦ができるようになる』という話が出ておりますが、そういったメモリーの点ではアナログ的であったマジンガーZは、最初は操縦機(エルガイムでいうフロッサ―と同じような存在)と本体とのドッキングも上手くいかず、主人公は満足にマジンガーを歩かせることもできなかった。こういった場面が登場する点では当時としてはリアルに感じられ、エンディングテーマの映像でマジンガーの内部構造の絵が流れると当時の子供たちは夢中になってみて、大いに人気を博して、プラモデルでも内部構造の見えるタイプが、宇宙戦艦ヤマトでも、ガンダムの最初の作品でも(キット形式だが)市販アイテムとして発売されている。 こどもの頃は映画『サウンド・オブ・ミュージック』もひんぱんにテレビ放送されていて、映画音楽も、『炎のランナー』のテーマだとか、『スターウォーズのテーマ』だとか『ロッキーのテーマ』なども聴きましたが、映画史に揺るがぬ地位を築いたフレーズと言えば、ジョンバリーの『ダブルオーセブンのテーマ』と言えましょう。この頃のTVでは『戦場のメリークリスマス』のテーマがよく流れますが、同じグループの一員だった細野晴臣氏の作曲の、「銀河鉄道の夜』のアニメ映画のサウンドトラックは、夜に幻想世界に旅する作品世界を音楽へ投影しているために、親戚との旅行の際にドライブ音楽として流したら、「変な世界に入り込んでる…」なんて言われ、「そういう印象を持つ人も居るのか…。」と考えさせられた。90年頃のオリジナルビデオアニメ作品で、『ぼくの地球を守って』という作品があり、音楽の作曲者に『菅野 よう子』氏が登用され大変印象深い。作品の性質もあって幻想的な音楽が効果的に使用されて、質の高い作品に仕上がっていると思うのですが、音楽だけ聴かせるとやはり、一部の誤解をする人が出てしまうようで、それは、NHK大河ドラマで『女城主 直虎』の音楽を担当し、そのBGMのCDを知らぬ人が聴いても、おなじような「あやしい宗教?」みたいに感じてしまう向きがあるようです。特に、作中に登場する『唱経(しょうみょう=お経に唄のようにふしまわしがついている。文字通り唄うお経)の菅野氏作曲のオリジナル曲が入っており、ますます怪し~いなんて誤解してしまうのであります。時代は単純に、「スイッチポン!」で「短時間に結果が出る」というPCでの株式投資のイメージかな?みたいな世界になってきて、「最近のガンダム系プラモは、塗装しないで簡単に組立てられるよ!」と、それはわかるんだが、プラモデルの作品コンテストでは『塗装をしていないモデル』は選外になると思うし、もし残っても大した賞を受けられるレベルに至らない。ミリタリージオラマでもウェザリングは普通だろうし、その点、鉄道模型もせっかく情景を実感的に仕上げたのに製品まっさらの車輛を走らせていかにも「模型感たっぷり」になってしまうのは、(ある種メーカーの限界点があるとも言えようが)残念で仕方がない。(16盤)HOのレイアウトの名作「レイアウトモデリングの坂本氏の作例でも、写真に写るC10 は軽くウェザリングが施されて、情景に溶け込んでいる。スイッチポンの文化は、歳月を経過した様子を打ち消してゆくものだとしたら、山中に躯をさらす長野オリンピックの競技場の遺構をどうやって撤去してその費用をだれが出す事の成るのか、なんて私が考えて心配しても仕方がないなぁと、スイッチポンで自販機で購入した水分を補給する真夏の日常。クーラーは壊れたまま、三年目になる。恋愛ソングを聴く気にもなれない。あじぃ~。