夏休みの模型工作 その3
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古い茶封筒を開いて貼る
使い古しのくたびれた茶封筒を開いて、スチロールの地形の表面に貼り付ける。いったんしわをたくさんつけてやると、凹凸になじみやすくなる。
発泡スチロールの芯は樹木の幹を差し込みやすく、改変も楽であるため、中々お奨めであります。専門書の解説では、プラスタークロスで地形を造ったら、表面に水をつけて粉のプラスターを振りかけると表面がざらざらになり、固まってから塗装する手順になります。しかし、持ち運びが前提であり軽くしたいので、プラスターは使いません。 -
貼り付けて、表面も簡易表現。
移動を前提とする今回のような造作には、プラスター(石こうに近い使い方だが材質は石こうではない。)を使うと重くなるので使用を控え、木目けしも兼ねて紙で覆います。マジックインキを染み込ませるように塗ると、草地表現でのカラーパウダーの使用もある程度減らすことができます。アメリカの荒野とサボテンの情景と違って日本は緑ゆたかなので、情景設計にも単純な真似ができない。
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植物類はスポンジやタワシの着色で。
樹木は亀の子たわしを分解して形を整えて、マジックインキで着色したものです。ナイロンたわし付きのスポンジたわしも、スポンジ部分をマジックインキにて着色。細かめにちぎって使います。 身近に手に入る材料で作ったのでは、他人との差がつかないように考えるのは、展示物の値踏みの癖が染みついているのではないか?レイアウトは列車を走らせてその様子を愉しむために、個人的に作るものであるから、「展示」ではなく本来の使い路としての、「模型車輛の活躍の舞台」としての価値を問うべきでありましょう。本品は運搬を伴うことも忘れてはならない。
ちなみに、背景写真に写った車両は素材から自作された木造車で、趣味で作りためた車両が科学館の企画展できれいに並んだ晴れ姿を、作者が記念で撮影しようとしている場面で、模型趣味の一つの結実した姿として、まさにお手本としたいものである。 -
たわしから作った木々の使用
曲線の外側、コーナー部分の風景処理には、頭を悩ますことも多く、そこに特化したレイアウトのアイディア集の雑誌記事も見られます。今回は森を作りました。この部分は運搬中に引っ掛けやすく、高価な完成樹木も、枝が折れたり葉っぱが落ちたりと維持が大変なところ、数を用意でき、耐久性も考えるとこのやり方はなかなか有効でありましょう。 この時点でも列車を走らせるとまあまあ楽しめるわけですが、こんなので完成などというつもりはなく、まだ手を入れてゆきます。
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2019年に作った製作見本
いきなり情景製作の処からスタートした、夏休みの模型工作記事でしたが、ベースに線路を敷く作業は、2019年の あいちこどもの国における工作教室(西尾市一色町公民館のチャレンジみらい塾 へ移行して現在も活動中)にて、製作指導したものの見本として作成したベースと線路を使用しています。 当時の生徒さんら小中学生でも入手できそうな材料で作る それがこの記事のテーマの一つです。
私が中学生の頃に作った時は、夏休みの工作ではなくて、部活動の文化発表会への出品物であったので、夏休みの終わりが完成の期限ではありません。
夏休みの工作というタイトルでの公開は、このパート3 で終了です。
現在はセクション形式で、かつて運転会に持ち寄ったこともありました。画像は今年の8月、岡崎教室のもの。 -
保管方法も、準備しましょう。
学校の部活動の発表用に製作をしたときには、技術準備室に置かせてもらっていましたが、場所が無くて家庭内に保管する場合は、保管方法をあらかじめ考えておく必要がある。 実際 昭和50年代の模型雑誌では、壁掛け方式やカモイ式やら折り畳み式、家具のようなステレオセットの上に作ったりと、苦労の様子がうかがえます。 今回も壁掛け用金具の入る穴を設けておきます。
壁に掛けられるようになった状態を示します。絵画や写真を壁に掛ける要領でもよいだろうと思います。このままではやがて ホコリまみれになりますので、薄紙や布などのカバーもつける必要がありましょう。