鉄道クラブ『N分科部』は、鉄道模型歴 数十年のベテランがご指導に当たり、
鉄道模型工作を通して、趣味の鉄道模型を満喫する 指南会 です。
模型工作を中心に、時に運転会、時に実物の鉄道の撮影と乗車会など、鉄道をテーマに
多彩に活動します。
扱うジャンルは鉄道全般に及び、新幹線から森林軌道や作業用トロッコまで、
幅広く深い知識を得られます。
このクラブは、愛好者の集う場所であって、営利を目的とは致しません。
『鉄道模型』とは、大手のメーカーが提供する子供向けの鉄道おもちゃ製品群の事を指す言葉ではありません。国際規格で取り決められた寸法(縮尺)や走行用電源などの仕様にのっとって製作された鉄道の模型の総称であって、イベントなどで人々を乗せて活躍する大型で自作されたミニSLと呼ばれるものも、鉄道模型ですし、Nゲージは鉄道模型のひとつのジャンルではありますが、Nゲージの事を鉄道模型と呼ぶもの(イコール)ではなく、特に日本以外の諸外国ではHOゲージのほうが主流です。当然海外にはドイツを中心に鉄道模型製造メーカーがいくつもあり、日本のタカラトミーのみで製造されている「プラレール」については、国際規格にのっとっていない「Toy Train」である為、厳密には鉄道模型には入らず、諸外国では「鉄道模型」としては扱ってもらえません。海外の年少鉄道ファンは、『ライオネル」などの三線式Oゲージの歴史の深いタイプ(ロングセラー商品)によって鉄道おもちゃにふれあう機会を持つようで、アメリカではこちらの方を Toy Train と呼ぶのが普通のようです。子供向けに、「Nゲージ」と表記して販売されている金属製のおもちゃについても、大きさが似ているというだけでは、本来的には「鉄道模型のNゲージ」には分類できません。当クラブで扱います「鉄道模型」は、大手メーカの生産する量産製品群が若年層に浸透する以前から、大人の間で愉しまれてきたペーパーによる自作なども含む、「趣味」としての鉄道模型であり、小中学生などのビギナー(初心者)さんには、扱い方や製作方法がわからないことの多い分野ですので、教室として機能させています。「子供が直感で使うことができないというのは、おもちゃとして優秀ではない」と言う向きもおありかと存じますが、元来「鉄道模型」は大人が楽しむ目的で生産されて発展してきた、一部には「キング・オブ・ホビー(趣味の王様)」と海外で認知される、非常に奥の深い世界であって、「こどもに提供するためのおもちゃ」という感覚では作られておりません。
旧いTMSのミキスト欄で、「おもちゃは知識が無くても遊べるが、模型は作る側はもちろん、扱う側も幾らかの模型化対象の実物に関する知識をもって、ある種の巧みさも含めて愉しむものだと思う。」という趣旨のお話を紹介し、
山崎主筆は「至言と思う。」とお書きでした。(情景製作では 1975年当時、鉄道模型用の国産建物キットをレイアウトに使うのが当たり前であったが、それらは無塗装では使えない時代。)高校の体育大会のハリボテでは、アニメキャラは定番。 NHKの屋上カメラでも、写り込むネオンサインの広告は取り除かずに流すみたいで、また、風景写真や画板を使っての写生は二次著作物には該当せぬのが一般的である。 JRのリニア鉄道館に展示のクモハ52は、世界的な流線形ブームの中で誕生した名鉄のイモムシと同時期の省電(昔の国鉄電車の呼び名)当時の運転最高速度では流線形にして空気抵抗を減らしても効果は得られなかったので、「張り子のトラ(見せかけだけという意)」と言われてしまいました。日本車輌製造で保管されていた同車を整備して、博物館展示になったのは、無駄な事をした歴史を振り返るためではない。この前面の製造技術を応用しなければ、最新のリニア車輛の前頭部も製造できないからである。自動車のような数の多い板金外装はプレス金型で沢山作れるが、シンカンセンも含めて鉄道車輛のような大物は金型造ったのではとても採算を合わせることができない。鉄道車輛づくりは山登りのようなもので、作業をこんこんと続けなければ完成に至らない。 プラモデルでも「戦艦」というアイテムでは覚えが悪いかもしれないが、プラモの戦艦の砲塔では生き物の殺傷能力がないばかりか、弾の発射すらできない。戦艦が模型化の対象になっているのは男の子が強いヒーローにあこがれがちだからであって、私個人は帆船やら砕氷船のプラモを組立て、壊れたのちには鉄道模型の建物のパーツへと再利用したんである。拳銃のプラモデルも学生時代に不買運動が起きてメーカーがつぶれてしまったが、まともに動かないハリボテ兵器のプラモを規制しても意味がない。自宅密造のピストルのような武器がニュースをにぎわすようになるのは、メーカー倒産から10年以上経過してから。プラモデルの拳銃を組んだところで、問題なく動くピストルなど作れず、多くはネットで製造法を調べてやっているのである。画面上で実体のない言葉のイメージだけで、害虫駆除のように既存のモノ文化を滅ぼしてゆくのは如何なものかと。やるせない気持ちになる。
(上の写真群、機関庫及び検車庫での撮影は相応の許可を得ておこなったものです。)
模型雑誌には、出来上がった状態のものが数多く掲載されていて、昔のアニメのフィギュアとかおもちゃとかのコレクションのように、男性によくある(というふうに言われたが、女性でもブランドバッグコレクションなど例がないわけではない。)収集癖を刺激して、買い集めることをメディアが経済対策とかいう考えになぞらえてお勧めする向きが強くて、昔から作ってきたベテランマニアは、一部に肩身の狭い思いをしているのかもしれません。家庭菜園でも日曜大工でも、自分で作る『D.I.Y.』に意味合いなり意義があるのですから、「出来合いを買った方が簡単じゃん。」と考えるのでは、その通りだとしても『D.I.Y.』の意義には沿わないことになりましょう。独り住まいの高齢者は、自分で調理することをあきらめて、近くまで移動販売に来る八百屋のトラックでお惣菜を買って食べる方が、あるいはコンビニエンスストアでレンジで温めるだけの調理済みの食べ物のほうが、はっきり言って便利であって、ご婦人の中に「ぼけ防止」との意味合いで料理を作るという話があるくらいです。そもそも一人向けの食材調達というのは昔から難しかったですから。世代によっては、「男性が台所に立つものじゃない。」と言われて育った世代(お母さんからそう言われて大人になった人ですよ!)も、いらっしゃるわけで、「料理くらい自分でやんなさいよ!」なんて叱りつけてくる娘さんは、(その人にとっては)ただのコワいおやじギャル位にしか見えぬかも。海水浴場の水着ポスターやさまざまな広告に、若い女性の写真が登場するのは良くある話です。一方、プラモデルを無口で作って楽しんでいた世代には、その造ったモデルをショーケースに入れるなど飾り立てて写真に収める場合はあるかもしれないが、昔の模型雑誌も含めて、模型の作者が前面に出て「誰それさんが作っています。」なんてやらないのが普通です。若い女性にはその容姿で宣伝効果を上げることができても、若い男性に同じことを求めるのは、少なくともプラモデルを組立てて楽しんだ世代では困難であったといえると思います。故・白井完昌さんが雑誌TMSにひんぱんに記事掲載されるようになってから、トレインフェスタなどのイベントで記事を読んだ模型マニアから「あなたが(あの記事を書かれた)白井完昌様ですか。」なんて言われたりして、漫画家も似たようなところがあって、有名な鳥山明氏も、あまりお顔を知られておりませんでしたし、『クレヨンしんちゃん』の作者が転落事故でお亡くなりの時も、顔を知っている人が少なかった為に、当初の報道が「どうやら作者がお亡くなりになったらしい…」というあいまいな表現にならざるを得なかったエピソードもあります。 自動車趣味の番組で、「今の車は、全部が高いレベルで出来上がっちゃってて自分(の考え)を入れる隙が無いのよ。私らの世代が好きになった車というのは、手を加えるとかして自分なりの考えを自分の車に入れ込むことができて、そこが楽しいのよ。」なんて具合に、所ジョージ氏が話していて、よくわかる話だし、鉄道模型の車輛にも似たような状態が言えるのじゃないかなぁ。なんて思いました。(別に完成品のバリエーションにケチをつけているわけじゃないです。)自動車の趣味でいえば、好きなタイプの車を何台も専用のガレージに入れて所有する(模型じゃなくて本物だヨ!)お金持ちもいらっしゃるのですが、「自動車を何台も所有するのに比べたら、模型車輛の完成品を幾つか…。」等と要領の得ない比較をしたりして、まるで自動車を何台も趣味で集めるお金持ちがたくさんいるみたいな口ぶりだけど、中部地区で息子や娘に車を与えた結果で家に複数の車があるというのは必要に迫られての事であって、趣味で集めた結果ではないのです。お店の前とかに駐車場の無い店舗はやってゆけないのは中京圏の常識だし、職業紹介でも、「車がないのでは(特に自動車関連産業への)就職が難しい。」という実情があるのです。私らが子供のころはT市の道路はろくに歩道も整備されない道路に自動車がバンバン走っていて、自転車で走るにも危険な感じのところは多かったし、小学生が市民プールに出かけるのにも、女の子のいる家庭では親が自動車で送り迎えするなんてのは当たり前の話だったように思います。車で通えない人には「内職」の仕事を紹介されて、母と歳の近いおばも、内職の仕事をしていました。あれは、例えば息子とかが手伝ったりしてはいけないといわれています。それは手伝いのいる人といない人で出来高が違ってきてしまうからでしょう。 周りに自動車関連への勤め人の息子や娘が大勢の中で、少年が鉄道模型のクラブを始めたわけですが、「線路はもうあるのだから、それを使ってくれ。もう追加で線路を増やす必要もなかろう。鉄道ばかりになって困るから打ち止め。」(自動車趣味のクラブに変えたい意図があったようです。もう40年も前の話。)自動車趣味は、鉄道模型の趣味よりおカネがかかるから、ムリ!とこちらは考えてました。他を当たってくれと言わざるを得ない。現在その施設のラジコンコースも荒廃が進んでいる。)」と言われて材料供給など平成初めには止まっていたのだから。当初から自主活動クラブ向けの予算枠などありはしない。施設や行政のお金のことは、事務所の会計係を通さずにできるわけがないでしょ?そんな基本的なことも分からん奴にそもそもお金のことをまかせるわけがないじゃん! 親とか親戚に遊ぶお金をねだるのとはわけが違うんだからさぁ。 実物の鉄道は、そこを走る車両も含めて会社の持ち物だけど、自家用車は個人の所有者のものでしょう?駅構内に停車の電車を写しても怒られないけど、珍しい車であっても他人様の家のガレージに入ってバシャバシャ写真写すわけにはいかないのですよ。(叱られます!)ところがこれが、名刺なんかで「どこどこの雑誌の記事執筆をしたいのですが、取材のために写真を写させてもらえませんか?」といったふうに、会社の看板をちらつかせながら依頼すると、案外すんなりOKされたりして、(虎の威を借るキツネ哉…。)そんなこんなで、鉄道の公共性から、鉄道の趣味は、若年層や個人が趣味として活動することに比較的優しいタイプの楽しみだと思うのです。また、趣味というのはそこの場では真面目に行うもので、悪ふざけやずっこけで笑いを採ろうとするものではありませんで、例えばラジコン飛行機を飛ばす趣味でも、時間をかけてやっと作った自分の飛行機が、着陸に失敗してお釈迦になることがありますが、作った本人は泣けるほど悔しいわけで、何もふざけて墜落させているわけじゃありませんから、そばで知らぬものが笑ったりすると、むっとして怒りを我慢する作者にしてしまいます。何気なく笑っただけでも、作者から嫌われたりしちゃいます。 テレビ的には、ここで成功を収めるのでなければ視聴者がナットクせんでしょう? なんて言って、素人が難しいことやろうとしないで、プロに任せときゃいいがや。(いいがや=三河弁で、標準語の良いじゃないかの意)とか言われたりして、誰がテレビ番組のために模型造っているのか?自分は趣味で自作の模型飛行機を上手に飛ばせるようになりたくてやっているはずだが。 と、儲かるかどうかの経済的価値観と対立するのが、趣味の考えにはよくある事と申せましょう。 そして、趣味のアイテムは(実物の電車が鉄道会社の持ち物でも)、大抵というか殆どが、(模型の鉄道車両など)個人の持ち物であって、だからこそ、個人的な趣味の要素を、手を加えるなどして楽しむことが気楽にできるわけで、所ジョージ氏の云われる類の愉しみを守るためには、模型の電車は個人持ちであった方が良いと私は思うのです。「博物館模型」と「趣味で個人が購入する模型」との意味合いの違いもこれだと思います。
さて、今までの部分は、戦後趣味として物のない時代からいち早く趣味活動として鉄道模型作りが復活し、今では多くがご高齢となった雑誌に記事執筆される様な名のあるモデラーの方々とのご交流も通して、趣味活動としての鉄道模型を製作に重点を置いた従来の姿を踏まえて見渡したもので、業界内の実情などには全く目が届いていない考えだとも思います。 例えが適当かはわかりませんが、現在はプロ野球の世界は二つのリーグ制とか試合形式や実施の方法など、プロリーグとして方式が確立されているお陰で、プロの選手を目指す若者は野球の練習に専念できるわけです。ここで、プロの道をまず原野に作ってゆかなければならないとしたら、プロスポーツの選手への道は大変狭いものになってしまうでしょう。プロのモデラーなんていう人が、TVに登場したことがあったようにも思いますが、結局生活のできるレベルのもうけを出すような、仕事としての道筋を自分で開拓せねばならない状態が、鉄道模型の業界であると思います。その点では、大手のメーカーに社員として入社すれば、それなりの生活保障が得られるというのは、生産者側にはとても幸せな時代になったともいえ、また、そういう「鉄道模型でメシを食う!」という募集のキャッチフレーズをなぞろうとするのも無理もないかもしれません。気になるのは、昔、子供が集まって三角ベースや野球をやっていた空き地や公園から、子供の影が消えていることで、彼らは何処へ行ったかと思ったら、塾や習い事へ通っているというわけ。余暇のレジャーとしてのスポーツ、遊びとしての野球がなくなった時、スポーツ用品店は少年野球などの団体を抱えないとやってゆけなくなるのかもしれません。遊びや楽しみのためのスポーツではなくなると、子供は、身元保証のためにスポーツをするのでしょうか?
同じ鉄道模型の愉しみを持つ仲間で集まり、親交を重ねる中で、
生活の幅がぐっと広がり、趣味を生かして生活(の気分)を豊かにできればと、期待しながらの活動です。
※活動記録の日付は原則、西暦が4桁の場合は西尾の教室、西暦の下二桁のほうは岡崎教室としています。
。§§ おしらせ §§
去る 2025年9月6日(土)に、西尾駅東側の『おいでっき』にて、N分科部PMLによる模型列車運転会を実施しました。一般公開で、暑い中ご来場くださり、ご覧になって頂いた皆様ありがとうございました。。 また、おいでっきには自由に演奏できる『街角ピアノ』が設置してあり、素晴らしい演奏をお聴かせてくださった演奏者のご婦人にも、大いに感謝いたします。実施予告チラシに登場した車両は 1380形といって、踏切事故に遭った一般車併結のパノラマ特急編成(当時の新聞記事の切り抜きを残してある)ひどくやられた特別車の2両を廃車として一般席車の連結部に運転台を新設した、死の淵から生還したような根性車輛。日々の各駅停車運用の中で、時折西尾線直通の急行運用に就いたことが、アルファベータブックス2020年刊行の『名鉄の支線・廃線/上巻(生田 誠 著)』P28 にて紹介されています。
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『 夏休みレイアウト工作の準備……線路敷設 』
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★夏休みに入ると、工作の課題で新学期にジオラマ(鉄道模型の世界ではレイアウトと呼ぶ)を完成させて提出しようと考える小学生もいるようですが(私自身、『名鉄の駅ふう』のセクションを出したことがある。)近づくこの頃に計画だけでも立てておかなければ、夏の終わりに間に合わない(そういう人を大勢観てきた。)事態になりかねませんので、昨年の情景づくりの前段階の、線路敷設について順次
解説していきたいとおもいます。(先ずは、下の写真をご参考にどうぞ)
まず、計画段階で、建築限界と曲線半径に気を付けよう。
下写真の線路は、アーノルドN(旧 西ドイツ)のセットに入っていたR200以下の曲線。リバロッシのアメリカ型客車を走らせると、車体が大きく線路内側にはみ出してしまいます。このはみだし部分に建物などを置かないように、車輛に接触しない線路からの距離を、『建築限界』と言います。一方、青い電気機関車は、車体長が短いですから、大きく曲線内側にはみ出したりはしません。アメリカ型客車は25m級の長さで、日本で匹敵する長さは新幹線車両位でしょうか。名鉄は18.5mの車体長が多く、例えば地下鉄鶴舞線と共通規格の名鉄100形は、車体長が20mあるために、鵜沼から名鉄岐阜までの区間など、一部に入線できない路線があるのです。そのことも併せて、総武快速線などで使用されている2階建てグリーン車なども、名鉄以外でも入線のできない民鉄とか、JR線の中にも限界の小さい線区が存在します。どのくらいの大きさまで許されるかを、『車輛限界』といいます。線路の太さに、太い順から甲・乙・丙・簡易とありまして、C56蒸機は簡易路線に入れるよう作られていますが、本線用大形のD51は、簡易路線には入れませんし、C59やD52 に至っては甲線専用で、他線区に回すために軸を増やす改造をしています。形式が変わって、C59はC60に、D52はD62になりました。 プラットホームなどはぎりぎりまで車輛に寄せたくなるのが人情ですが、旧製品の蒸気機関車の加工でステップを追加すると、ホームやポイントマシンに接触する危険があると、レイアウト記事にちょこっと書いてあったりします。